OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)、リスクアセスメント、機械安全
リスクアセスメント
リスクアセスメント導入事例(巻き込まれリスクの低減事例)
本事例では、実際のリスクアセスメント実施例とあわせてリスクアセスメント実施にあたって苦労した点や工夫した点も記載しています。リスクアセスメント導入実施に当たって大いに参考になる部分ではないかと考えます。
業種 | 化学工業製品製造業 |
事業場規模 | 従業員 300名 |
(1)導入のねらい
次のような状況を受け、トップの意思表明のもとリスクアセスメントを展開することとなった。
- 事業の急拡大に伴い安全衛生に関するベテランのノウハウが若手層に十分に継承されていない。
- 生産増大に伴う新規設備の導入等により労働環境が変化してきている。
(2)実施の流れ
- リスクアセスメントを含めたOSHMS導入・展開について推進計画の策定
- リスクアセスメント手法の進め方について研修を開催
- 各部門によるリスクアセスメントの実施
- リスクアセスメントの実施結果に対するリスク低減措置の検討
対策によっては、次年度の安全衛生計画へ盛り込む
- リスク低減措置の実施(継続中)
(3)実施のポイント
- 作業方法を改善する場合は、時として作業者から抵抗を受けるときがあった。特に作業に熟練した作業者からはその傾向が強かった。
このような場合は、改善の意義や効果を十分に説明し、作業者に理解してもらった。
改善後は、安全だけでなく、作業面や品質面でもよい結果につながった。 - 恒久的な対策として工学的な対策を実施することが有効であるが、作業性やコスト面を含めて検討する必要があり、どの対策とするか、決定までに苦労した。
(4)実施の効果
- 作業者の危険性・有害性のポイントを見る眼が養われた
- リスクを排除する意識が向上した
- 各作業工程での危険性・有害性ポイントが明らかになった
- リスクアセスメントを通じて、職場内でリスク排除に関する対話が活発になった
- 効果的なリスク低減措置を検討する眼が養われた
(5)今後の課題
リスクの見積りのばらつきを少なくするために、リスクアセスメントの実施を重ねるとともに、 見積りの判定基準を自社の実状を踏まえ、さらに分かりやすいものにする等の工夫をしていきたい。
お問合せ
中央労働災害防止協会(中災防)
技術支援部
TEL 03-3452-6366
FAX 03-5445-1774
E-mail:gijutsu@jisha.or.jp