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調査・研究

調査研究概要

鉄鋼生産設備における非定常作業の安全

ガイドライン見直しの目的

鉄鋼生産設備の非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン(平成9年3月24日基発第190号)は、その前年度当協会でまとめた「非定常作業における安全衛生対策に関する調査研究(鉄鋼生産設備)」を基に策定されたものである。

一般社団法人日本鉄鋼連盟(以下、「鉄連」という)においてはガイドラインに沿って労働災害防止対策を進めているところであるが、平成23年に会員事業場の主に構内協力会社・下請工事業者による点検補修及び工事などの非定常作業において、重大災害の発生状況が前年比大幅増となった。

そこで、鉄連等団体・企業の協力を得ながら、ガイドラインが策定された後の就業構造の変化、法令改正、リスクアセスメントの普及など現在の状況を踏まえてガイドラインの内容を全面的に見直すこととした。

図1 表紙
全文(1~10ページ)PDF(PDF 895KB)
全文(11~51ページ)PDF(PDF 484KB)
全文(52~93ページ)PDF(PDF 4,377KB)
全文(94~158ページ)PDF(PDF 3,189KB)

実施内容

ガイドラインの見直しにあたって、委員会を設置し、近年の鉄鋼業の災害の情報の収集や実際の非定常作業の管理状況等について実地調査を行い、現状や課題等について確認した。さらに、参考資料となる様式等を関係各社より収集した。

ガイドライン見直し案の概要

(1)ガイドライン見直し案の構成

  1. 目的
  2. 用語の定義
  3. 対象とする非定常作業
  4. 元方事業者、関係請負人の責務
  5. 危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)とリスク低減措置
  6. 非定常作業における安全衛生管理の手順例
    • 6-1. 操業管理業務(運転業務)の場合
    • 6-2. 設備管理業務(保全/整備業務)の場合
  7. 作業の実施に当たっての一般的留意事項
  8. 緊急事態への対応
  9. 安全衛生教育の実施

そのほか、実際に事業場でガイドラインの内容を実践する際の参考となる資料(様式例)や災害事例を紹介。

(2)主な見直しのポイント

  1. 対象別に安全衛生管理の手順を記述
    対象とする非定常作業を「操業管理業務(運転業務)」と「設備管理業務(保全/整備業務)」に分けて、安全衛生管理の手順を具体的に記述した。
  2. 条件設定および変更管理について
    非定常作業においては、「条件設定」(鉄鋼生産設備のライン内において作業者が安全に作業できる状態を準備すること)と「変更管理」(当初定めた作業手順と異なる状況が発生した場合、その都度的確な対応の指示等からなる災害防止のための管理をすること)が重要であることを明記した。
  3. 危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)
    元方事業者および関係請負人が実施するリスクアセスメントとリスク低減措置について、言及した。
  4. 様式例を資料として掲載
    ガイドラインの内容を事業場で実施するための参考資料として、鉄鋼各社が実際に使用している様式を基にした資料を36件掲載した(図2)。
  5. 図2 資料(様式例)の一例
    「動点検作業指示書例」

  6. 災害事例を収録
    近年発生した非定常作業時の災害事例29件について、災害発生状況および原因と対策についてまとめ収録した(図3)。

図3 災害事例シートの一例