調査・研究
調査研究概要
「高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策 -先進企業の取組事例集-」
1 作成目的
本事例集は、65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年延長など、高齢者の雇用促進の取組が進められている一方で、加齢に伴う身体機能の低下が影響する高年齢労働者の労働災害が多発している現状(図参照)を踏まえ、高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策について先進的な取組を行っている10企業の事例を収集して取りまとめ、さまざまな業種・業態の企業で参考にしてもらうために作成したものです。
図 年齢層別の労働災害発生状況
2 本事例集において取り上げている先進企業の取組事例
自動化生産システムの非定常作業における安全対策のためのガイドライン(1997(平成9)年12月22日基発第765号)は、その前年度当協会でまとめた「非定常作業における安全衛生対策に関する調査研究(自動生産システム)」を基に策定されたものである。
その後各関連団体・企業においてはガイドラインに沿って労働災害防止対策を進めているところであるが、ガイドライン策定以来20年近くが経ったことから、産業構造や就業形態の変化、法令改正、リスクアセスメントの普及などをふまえた現状に即したものになるようガイドラインの見直し案を作成した。
【安全衛生教育】
- 事例1
- 中高年齢労働者に対する安全衛生教育を実施して、加齢による心身機能の低下の自覚を促し職場の改善につなげることにより、労働災害防止の効果を上げている事例(日本冶金工業株式会社 川崎製造所)
【転倒・腰痛防止対策】
- 事例2
- 工場の生産ラインにおいて比較的重い物を取り扱う高年齢のパート労働者の労災防止対策として、「転倒」や「腰痛」の防止対策を実施している事例(味の素株式会社 川崎事業所)
- 事例3
- 本部に専属産業医・専任衛生管理者を配置するとともに、各店舗の労災事故の情報を集約して、本部主導で各店舗の調理部門の転倒防止対策等を指導することにより、労働災害減少の効果を上げている事例(株式会社平和堂)
- 事例4
- ①スライディングボードの導入、②介助の際の作業姿勢の改善等の取組により、腰痛防止の効果を上げている事例 (医療法人社団翠会 蓮根ひまわり苑)
- 事例5
- 「持ち上げない介護」の研修を徹底することにより腰痛防止を図っている事例(社会福祉法人 中心会)
【作業負荷の軽減】
- 事例6
- 大きく重い製品を取り扱う作業負荷を軽減するための支援機器の開発、作業方法の改善等の幅広い取組を行っている事例(ダイキン工業株式会社)
【熱中症対策】
- 事例7
- 「心拍数」を基準にした警備員の熱中症対策について実証実験を実施している事例(綜合警備保障株式会社)
【体力づくり】
- 事例8
- 60歳以降も「いきいき」と働き続けるために体力づくりを推進している事例(トヨタ自動車株式会社)
- 事例9
- 従業員の健康保持、作業安全、事務能率の向上を図るために、朝礼などの日々の業務の中で「日通体操」を実施している事例 (日本通運株式会社)
【がん治療と仕事との両立支援】
- 事例10
- 「健康経営」の考え方に基づき社員への健康支援を行うとともに、「治療休暇制度」を設けるなどの「がん治療と仕事との両立支援」を実施している事例(ティーペック株式会社)
全文(1~60ページ)(PDF 3,856KB)
全文(61~87ページ)(PDF 4,192KB)
全文(88~149ページ)(PDF 4,382KB)
全文(参考資料)(PDF 1,514KB)
お問合せ
中央労働災害防止協会(中災防)
教育推進部 業務課
TEL 03-3452-6389
FAX 03-3453-3449
E-mail: kyoiku@jisha.or.jp