ゼロ災運動・KY(危険予知)

ゼロ災運動推進宣言事業場の声

労働災害が減少した今あらためて宣言

ゼロ災運動を導入してから20年近くが経過し、金属製品などを製造しているY(株)に、導入のきっかけから効果、届出のメリット、今後の課題などについてお聞きしました。

労働災害が減少した今あらためて宣言

Y(株)では、約20年前に労働災害の被災者数がそれまでの2・5倍と大幅に増加した時期があった。そこで、労働災害の減少に効果的なKY活動を実践手法とするゼロ災運動を事業所全域に導入した。

ゼロ災運動を導入してから、まず教育に力を入れ、各職場でのKY活動を活性化させた。日常作業の中で指差し呼称が定着するとともに、社員の安全衛生に対する取り組みが非常に積極的になった。

ゼロ災運動の導入により、実際に労働災害も大幅に減少した。 導入してから5年後には導入前の約3分の1に、 17年後には約10分の1となった。度数率は0・16という低い水準を維持している。

労働災害が少なくなった現在、日常的なKY活動や指差し呼称が、ついおろそかになりがちである。また、新入社員にこれらの重要性を理解してもらうにも、説得力がなくなってきている。このような時期にゼロ災運動の推進をあらためて宣言し、届出を行うことができたのは、今後の安全衛生活動に対する取り組みへの動機付けとなってよかったと考えている。

また、この制度は、トップの安全衛生活動に対する取り組み姿勢の再確認になるとともに、社員の活性化にもつながると考えている。これから届出をする事業場がますます増加することを期待している。

これからの課題は、最近の就業形態の変化に伴い年々増加している、派遣労働者や請負労働者への対応である。安全衛生活動には、社員、非社員の区別なくそれぞれの職場で作業をしている全員が参加し、 実践しなければゼロ災は実現しない。そこで派遣労働者や請負労働者に対する教育を強化し、日常的なKY活動や指差し呼称の実践を推進しているが、 派遣、請負とも定着率が低く、教育も活動も効果的に行えていないのが実情である。

ゼロ災運動とOSHMSの一体的運用も

近年の労働災害の減少は、 ハードウエア対策やソフトウエア対策が進んだことによるものが大きいと思われますが、導入直後の大幅な減少はゼロ災運動によるものが大きいのではないかと思います。「日常作業の中で指差し呼称が定着するとともに、社員の安全衛生に対する取り組みが非常に積極的になった」とありますが、指差し呼称を行っていることで、周囲に対して好影響を与え、こうした職場風土の醸成にも効果のあることがわかります。

中災防では「ゼロ災害全員参加運動第七次推進計画」の中で、基本方針の第一に「ゼロ災運動とOSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)の一体的運用」を挙げ、これを推進していますが、Y(株)は早くからOSHMSにも取り組み、ゼロ災運動との一体的運用を実践しています。

まだ課題はあるようですが、OSHMSの仕組みもうまく活用してこれらを克服し、ゼロ災運動をより一層効果的に推進されることを期待しています。

ゼロ災運動推進宣言事業場登録制度に関するお問合せ先

教育推進部 TEL 03-3452-6257